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[66] 日米の差  投稿者:アメリカ留学中  投稿日:2008年07月27日 07:14:42  No.66001
I P:128.187.0.178
「数字で見る博士課程終了後」を拝見させていただきましたが、日本の博士は随分冷遇されているんですね。もちろん研究分野によって給与にも差があるでしょうし、十分に優遇されている分野もあるんでしょうけれど、約半数もの企業でいくら博士を持っていても同年代の学士と差を付けてもらえない、と言うのは悲しい現実ですね。

アメリカで毎年行われているサーベイがありますけど、2005年の統計では、例えば化学者だったら博士号取得後企業に入ると、同年代の学士号のみ保持している研究者に比べて約3万ドル近くも高い給与をもらえます。それも学士54000ドルに対する博士82000ドルですから、この差はものすごく大きいです。そして、この差は年数を経るとわずかですがさらに広がっていきますので、博士号取得に費やした教育費と損失給与くらいは5−6年働けばすぐにペイしてしまうことになります。

日本の企業は博士を持っている人自体が少ないので、博士の生かし方がよく分かっていないように思います。博士ならではの仕事が与えられなければ、必然的に給与の差もつけられなくなってしまいます。ポスドクの問題も本質的に同じのように思います。

ですから、すでに博士をお持ちで企業で働いておられる方々にぜひお考え頂きたいと思うことがあります。未来の博士たちのために、少しずつでも皆さんの職場を博士達がその能力を十分に生かせる場に変えていけるように努力してみませんか?せっかく博士が増えているのにその博士を十分に生かせなければ日本の社会にとって大きな損失だと思います。博士の能力が適切に評価されず十分に生かされないような社会のままでは、これからの国際社会での日本の競争力は相対的に低下していかざるを得ないでしょう。これから博士に進もうと考えている人たち(私も含めて)も、日本の中でだけ通用して満足するのではなく、グローバルな場でも活躍できるように自らを向上させていくことによって、自らの研究者としての競争力を高めることが非常に重要になっていくように思います。



Re:日米の差  投稿者:トリム  投稿日:2008年07月27日 08:14:30  No.66002
I P:220.0.84.78
「アメリカ留学中」さん

はじめまして。投稿いただきありがとうございました。

>日本の企業は博士を持っている人自体が少ないので、博士の生かし>方がよく分かっていないように思います。博士ならではの仕事が与>えられなければ、必然的に給与の差もつけられなくなってしまいま>す。ポスドクの問題も本質的に同じのように思います。

ご指摘のように、企業側や社会の中での活かし方がわかっていないということが、問題点の一つとしてあるように私も友人との話し合いや、自分の周囲を見ていて感じております。

博士課程で培ってきた能力というよりも、博士課程で経験してきたこと(文化的なもの)を、企業なり社会なりがうまく取り込んでいき、そこから得られた成果を企業であればサービスや製品に、公益的なものであれば社会の発展に生かされるように結びつけるシステムがいるのかなと感じております。

「アメリカ留学中」さんは、ご自身の留学先の博士課程の学生やポスドクと接していて、彼らの意識の面で、かつて接してらした日本人の学生やポスドクと何か違いを感じるということはありますか?



Re:日米の差  投稿者:アメリカ帰り  投稿日:2008年07月30日 00:35:12  No.66003
I P:119.72.117.172
「アメリカ留学中」さん

はじめまして
私はアメリカでPh.Dを修得した後、運良く日本の民間企業に誘われ、今はそこの研究所で研究員として働いています。

私も働きはじめる前はご指摘の通り、日本の企業が博士の使い方を知らない(冷遇されている)と思っていました。
ただ、働き初めてその考えは変わりました。

もちろん未だに日本の企業が博士の扱いに慣れていないと思うことはあります。ただ、その前に、企業側から是非うちで働いて欲しいと言うような博士(ポスドク)がそもそも日本には非常に少ないと思います。企業は民間である以上利益を出さなくてはいけません。それに博士(ポスドク)は通常”中途採用”であることが多いため、採用する側としてはすぐにプロジェクトの中心(即戦力)になって貰わないと困るのです。修士卒(または学卒)で入った他の同年代の方以上の業務をすぐにこなしてもらわないと困るのです。企業にとって(博士を)中途採用で入れると言うのはそういうことです。
まとまりのない文章で申し訳ありません。ただ言いたいのは企業風土も変わらないといけないのは当然ですが、博士の方も”採用してみたい”と企業側に思わせる実力をつけて下さい、そして企業を実際に採用に動かしてみて下さい、ということです。

最後にアメリカ留学と言うのは決して楽ではないですが、”採用してみたい”と思わせる実力をつけるにはこれ以上のチャンスはないと思います。
是非頑張って下さい!!



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