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[53] 漂う博士  投稿者:極楽トンボ  投稿日:2007年12月03日 23:27:44  No.53001
I P:219.208.14.216
小さな研究所に勤める極楽トンボの若手研究者です。
これまでポスドク問題とは無縁でしたが、大型プロジェクトに採択されてからは
このPD問題に直面することになりました。ポスドクは就職がないのは事実ですが、
状況を冷静にみると当然であるとおもいます。文部科学省が博士を増産し、
博士課程に進学する人も、自分の将来をしっかり考えず成り行きで博士課程に進学しているからです。

私の研究チームにもポスドクはいますが、雇用するまでは分かりませんでしたが、
コミュニケーション能力の低さ、視野の狭さ、情熱の欠如などが見受けられる
人がいます。私が大学院生の頃にはまずいなかった人たちです。共通的なのはコミュニケーション能力の低さです。
ポスドク以外に同時に学卒も雇用していますが、いずれも至って優秀で、
物事を素直に聞いて実験をするため、よい実験結果を出してきます(ただ彼らは論文がかけません)。
最近困るのは、何のためにポスドクをやっているのかわかりかねる人達がいる、という
ことです。私は、研究者になるためにポスドクをやっている、と信じているのですが・・・。

私は大学などの教育職ではないのですが、日本の教育制度
に危機感をもっています。特に大学院での教育です。
私が見る限り、日本の大学院生は多すぎではないか、と思います。
もっと少数精鋭にして選抜すべきではないでしょうか。
大学院でのキャリアを生かせない人たちを多々生み出す、ということは
結局税金の無駄使いでもあります。

この10年間、博士増産など質より量を重視してきたのだとおもいますが、
これからは量より質に舵を取る必要があるのでは、と思っています。
これからの、大学での博士育成・大学院システムについて、教育行政や大学院で
の教育に携わる方がどのように考えているのか、
伺いたいです。

長文でスミマセン。




Re:漂う博士  投稿者:息子たち、娘たちへ  投稿日:2007年12月05日 09:46:19  No.53002
I P:59.146.141.159
独法化した後の大学関係者を見てきた経験からお話しします。
各大学は文部省からのお達しで「大学院大学」をラッシュで
作っています。大学院生が当初の計画通り集まらなければ、
翌年からは予算がカットされ、文部省からの評価が落ちます。
その結果、1次関数もわからない、英語も日本語もできない
外国人留学生や昔だったら考えられない
能力の院生まで入学が許可され博士が量産されました。
アカポス関係者の子弟はどの大学のどの研究室に行けば未来
予想図は明るいと将来の設計図をちゃんと描いてもらって
博士課程に進学しています。
自分の親(教授)などのコネが大きな力です。
企業に行く際も役に立ちます。
庶民には想像のつかない世界です。

さて、アカポスを採用する教授たちはこの事実は周知&既知
ですから、「知った人じゃないと取りたくない。公募はいち
おうやるけど、実はもう決まってる。」というのが現実です。
大物といわれる教授また、研究業績を出せないが何とかして
学部長などに将来なるべく、教授会にごまをするため若手を
駒のように扱う教授の周囲では人的配置図が決まっています。

あそこの教授が来年退官したら、その次の教授はこの人。
そこの助教授はポイント制のかねあいでこの人がとれるなら
採用するけど、うまくいかなかったら、3年や5年任期の
ポスドクを安くで使いまわせばいい。任期制って俺たち教授
には実にお得なシステムだ。任期制限は俺たちには関係ない。
あったとしても教授会でお互いに手打ち済みだ。
評価をするのは教授会だから、若手なんて気に入らなかった
ら切ればいい。中堅の目障りな人間も。
根回しをしておけば簡単に首にできる。というわけです。
研究費の不正を暴かれても、任期付きの研究生等に責任を押し
つけられるような書類を書かせておき、単独でやったことと
居直ります。

また、大学院大学を増やすことによって、「社会人経験教授」
が激増しました。人寄せパンダ的なタレント教授候補を
よんできます。彼らを特任教授(数年の任期)として、
使い回して大学の知名度と学生勧誘に使います。
彼らは教育なんて余りまじめに考えていない人たちがその
多くではないかと講義などを受講して感じました。
国立大学で教授をやると内閣府のプロジェクトに参加できる
からクチコミで来たという人もいましたし、大学の超大型
プロジェクトにたった1年だけ在籍して、その肩書きで
公的外郭団体や企業にさっさと逃げた中高年の特任教授
や特任助教授たち。残されたスタッフはどうなるのでしょう。

師を誤るととんでもないことになるのです。
文部省と大学側の思惑をしっかり読み取ってください。
「アカポスワーキングプア」にならないでください。
おまけに、セクハラとちがってパワハラ、アカハラは簡単に
にぎりつぶされます。

文部省も大学も5年先10年先のことまで考えていないので
すから。
博士としての生き方を考えるのであれば、学部段階からの
周到な情報集めをされることをお薦め致します。

私の息子や娘がこんな目に遭うとたまらないと思い、論点が
ずれているかもしれませんがお返事とさせてください。





Re:漂う博士  投稿者:ぬん  投稿日:2007年12月10日 11:32:20  No.53003
I P:202.209.152.38
個人差が大きいですから、一概に言えないところがあります。

ただ、学卒の場合「大学を卒業した」という実感がありますが、PDの中には、「卒業した」という実感に乏しい方がいるのは、そのとおりだと思います。
実際は卒業したくなかったのかもしれません。

また、わが国の博士課程後期課程への進学者では、同年代の一般集団に比べて、成人型のADHDないしアスペルガー的要素(自閉スペクトラム)の頻度が高いのではないか?
との指摘が、どこまでまじめな議論かを除けば、時々されています。

自閉スペクトラムには、ある程度の遺伝的素因が関係しており、新規環境への順応性が劣ることが知られています。

議論に飛躍がありますが、高機能を有する自閉スペクトラムにある
者の中には、環境が適合すれば、興味のある内容に関しては、強い執着を示し
非常にすばらしい成果をあげるものがいます。

しかし、執着のあるテーマで一生を過ごせ者など限られています。
メンタルケアをしろとは言いませんが、大学院が、高機能自閉スペクトラムのある者にとって、社会に出るより、極端に居心地のよすぎる場所にならないようにする必要はあるでしょう。
大学院生であっても、いづれは必ず卒業するわけですから。



Re:漂う博士  投稿者:極楽トンボ  投稿日:2007年12月24日 22:01:48  No.53004
I P:219.208.14.216
小生は漂う博士を面倒見ている極楽トンボの若手研究者です。
息子達娘達へさま、ぬんさま、返信頂き有り難うございました。
大学人事の状況、自閉スペクトラムなどのお話など、小生があまりなじみのない
ことで大変勉強になりました。
実は私の父がとある大学の理系の教授(すでに退官していますが)だったのですが、
息子である私は大学院在籍中は当時大学教員への道には興味がなく某国立研究所に
就職をしました。分野も父とは敢えて異なる分野です。国研の長所は
小生のような者でも行政的に必要な研究であれば
予算を付けてくれることです。そのおかげで、ボスに縛られずに
比較的自分の発想で研究が続けられました。しかし、だんだん年を経てきますと
最近は大学に移った方が良いかなと思い始めています。
理由は2つあります。1つは、国研の場合、若い後継者を育成することが困難であること、
2つめは研究の自由度が少ない、ということです。
小生は特に大学教育の危機を感じており、早晩、適当な大学教員の公募があれば
応募したいと思っています。現在の日本の大学の状況ですと、小生のような
一匹狼的極楽トンボはなかなか採用されないかもしれませんが、
グローバルに活躍できる博士を育てたいという夢があるものですから、
自分にさらに磨きをかけ、来るべき日を待ちたいと思っています。
博士課程で頑張っている人やPDの人、自分に甘えず、グローバルに
活躍できるかどうかで自分で自分を評価しながら頑張ってください。
もし、グローバルに活躍できそうにない場合は、早めに別の道を歩むという選択も
あると思います。研究以外にもたくさんの素晴らしい人生がありますからね。
小生もグローバルに活躍できるよう頑張りたいと思います。



Re:漂う博士  投稿者:私立大学教員  投稿日:2007年12月29日 23:50:24  No.53005
I P:59.129.161.253
>アカポス関係者の子弟はどの大学のどの研究室に行けば未来
予想図は明るいと将来の設計図をちゃんと描いてもらって
博士課程に進学しています。
自分の親(教授)などのコネが大きな力です。
企業に行く際も役に立ちます。
庶民には想像のつかない世界です。

まさにおっしゃる通りです。アカポス関係者の子弟は、アカポスに就ける
研究室へ子弟を進学させています。そういう親世代の人脈がある人と
ない人では決定的な差があります。はっきり言ってずるいです。
公募に関しても、コネがほとんどです。全く嘆かわしい限りで、
全ての大学の採用人事は、文部科学省直属の第3者機関で業績を公平に評価
してやった方がいいです。腐ってます。
また、教授達は奴隷のような部下を求めていたりして、人格的にも低劣で
ツバを吐きたくなる連中が多いです。研究室選びには注意しましょう。




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