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[109] 博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年06月04日 01:23:23  No.109001
I P:122.17.91.77
はじめまして。

生化学専攻の修士2年です。
ここのところ博士に進学するべきか非常に悩んでいます。
元々は企業に研究職として就職を希望していました。
内定はいくつかもらえましたが、希望する研究分野の会社ではないため
(私の希望は製薬会社ですが、内定をもらったのは土壌や試薬の分析会社)
あまりそれらの企業に夢を抱けません。

教授からはそれならばと博士進学を勧められています。
その理由として
・製薬会社のバイオの研究職の新卒採用は博士卒が主流になっていること
・私自身の研究はうまく進んでおり、素質があるらしいということ
(M1の時に論文アクセプトと学会の口頭発表を行いました)
・M1でその業績があればそのまま進めばポスドクをほとんど経験せずに助教になれる可能性が他の学生と比べて高いこと
という感じです。

一方、博士を中退して国家公務員になった先輩にこのことを言うと
「お前は利用されている」と言われました。
つまり、学生が1人いればそれだけで大学から助成金が入り、
研究においても教授の使い駒になってしまい、自分が論文や学会発表を行うだけで教授自身の名声も上がるからということです。
また本当に良い研究がこの先も行えるか分からず、最悪の場合この先輩のように中退せざるを得ない状況になるかもしれないと。
(この先輩は生涯一度も論文を書いたこともなければ口頭発表もしたことがない人ですが・・・。)

一体どちらの意見が良いのか分かりません。
自分としては今希望する分野の会社に入れれば一番良いのですが。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:サラリーマン研究員  投稿日:2010年06月04日 22:22:53  No.109002
I P:58.91.78.74
私は博士卒で製薬会社に入社した研究員ですが、「製薬会社のバイオの研究職の新卒採用は博士卒が主流になっている」という部分に根拠を感じないんですが・・・。こういうのって会社によりけりだと思うんですよねぇ。何を根拠にそんなことをおっしゃっているのか、指導教官に尋ねてみられてはいかがでしょうか??

でも、製薬企業研究員として就職する窓口は年々せまくなってきているのは事実でしょうね。外資系の製薬はどんどん日本から研究所撤退していきましたしね。というか、本当に研究者として生きたいのであれば、やっぱり民間企業に出るよりも大学研究者の道を選択するべきだと思いますよ。民間企業研究員はしょせんサラリーマン。会社から異動を告げられれば研究者声明は終わりです。そんなもんです。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年06月05日 01:58:01  No.109003
I P:122.17.91.77
ありがとうございます。

>製薬会社のバイオの研究職の新卒採用は博士卒が主流」
これは“製薬会社は海外の会社と共同研究が多く、そのとき博士号がなければ対等にディスカッションをしてくれない。そのために製薬会社は博士を優先して採用するようになっている。またすでに就職している研究職の社員には博士を取得させるようにしている。”
との理由です。
自分自身も就職活動で製薬会社での博士号の必要性を感じました。
上にも挙げたように自分は論文を書いたことがありこれをウリにしようと面接で話しましたが「修士の人が論文を書いたと言っても実際は教授がストーリーを作ってそれに従った程度では」というように言われました。
研究室にもよると思いますが、自分の研究室ではテーマはある程度は自分で決めるので教授のストーリーがあったわけではないのですが。。。
また、「自力で行った研究であったとしても修士は博士に比べて3年は研究歴が短い。研究歴が長い方が会社としてうれしい」というようなことも言われました。
(教育しない会社って何なの?と思いましたが。)


>所詮サラリーマン
う〜ん、そのあたりはどうなんでしょう。自分もあまりサラリーマンという世界をいいようには思えません。
それは自分の想像するサラリーマンが「スーツを来て満員電車にぎゅうぎゅう詰めになって通勤し、自己実現ではなく家族の生活費を稼ぐために仕方なく働いている人」というものだからかと。
製薬会社の研究職はこのような感じには該当しないものではないのでしょうか?
また異動に関してですが、一度博士を取って研究職に採用されて研究に関係の無い部署に希望もしていないのに移ることなんてあり得るのでしょうか?


他のみなさんもよろしくお願いします。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:サラリーマン研究員  投稿日:2010年06月05日 13:22:13  No.109004
I P:58.91.78.74
海外の研究者とディスカッションする際に学位を持っていないとあまり相手にされないのは間違っていないと思いますが、前述したように博士主体で採用するかどうかは会社やその年のニーズによると言ってるんです。また、会社に入ったら学位は持っていたほうが当然いいのですが、これからは企業研究員が会社に所属しつつ学位を取るということはできなくなっていくだろうというのが一般的な認識です(そういう意味では、どうしても学位をもっておきたいのであれば博士課程を修了しておいたほうがいいですね)。

また、学位を持っている人が研究所以外に異動することは普通にあります。さすがに営業に異動というようなことはないですが本社勤務とかはどこの会社でもよくあることです(ライセンス関係や知的財産など)。


それにしてもM1で論文アクセプトというのはすごいですね。
どのような決断をなさるにせよ、じっくり考えて悔いのないようにしてくださいね。




Re:博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年06月06日 22:19:53  No.109005
I P:122.17.91.77
会社やその年のニーズによるのですね。自分が訪問した会社は博士がいいと言っていたところが多かったです。

ライセンス関係や知的財産などへの異動はありうるということは以外でした。大学に残れば研究しかやらない生活になりますからね。そのあたりは考えたいものです。
もし会社に入って数年で希望しない部署に異動を命じられたら転職することも考えられますが、10年以上たってから人事異動になったりすると年齢のこともあり、もうその会社に骨を埋めるしかなくなりますね・・・。
大学人はそういう意味では自由ですが、業績が出なければクビ、つまり収入源がなくなるという人間の生活の根本的な部分がなくなるかもしれないので怖いですね。

まあ、どこに行っても問題はつきものですから、どこまで自分が妥協出来るかでしょうね。
(個人的にはネットで騒がれている「ポスドク問題」は論調が偏っていると思います。“もし修士で会社に就職していれば良い生活ができたはず”というのはまやかしでしょう。)

論文アクセプトは研究室の教育が良かったからです。4年生からの研究でしたが、最初の数カ月は先輩(D4)の人が付きっきりで指導してくださいましたから。それがなければ今頃はまだ研究と呼べる内容になっていなかったと思います。

自分の希望としては博士に進学してできるだけ早く就職口の見通しがつくようにしたいと思うようになっています。
できれば1年早く博士を修了したいものです。(論文はいつの時点のものでもよいと教授には言われています。)


他の方も引き続きご意見をお願いします。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:どうですかね  投稿日:2010年06月09日 20:09:02  No.109006
I P:133.67.185.20
企業でいきいきやっている方もいれば、大学で業績があっても自殺してしまう方もいます。
自己実現の方法は人それぞれなので、一概にどちらが実現できるとはいえませんね。

収入面では、一般論としては企業就職した方がよいでしょう。学振をもらったとしても、修士からよい企業に就職して福利厚生とボーナスをいただく生活にはおよびません。

経済的に損をしても研究に賭けたいという強い意志があれば、博士課程もよいのではないでしょうか。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年06月11日 01:47:30  No.109007
I P:122.17.91.77
ありがとうございます。

確かに人によりますね。自分の研究室でも、
研究実績があるのに「オレはダメだ」と来なくなる人がいたり、
実験がうまくいってないのに「研究は楽しい」とがんばれる人がいたりと。
同じ環境でも人によって感じ方が違いますね。
よって次の世界がどんな環境下を少しでも垣間見れたら見通しがずっと良くなると思いまして書き込みさせていただきました。

収入の面では特に気にしていません。
実家暮らしで元々お金を使わない立ちなので。

研究にかけたいという意気込みはありますが
最初に書いたように中退した先輩の「お前は利用されている」ということが気になりますね。
これも人によって感じ方が違うだけならいいのですが。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:M  投稿日:2010年06月18日 04:03:34  No.109008
I P:116.80.20.234
ペンさんの人生の目的やゴールって何でしょうか?

企業の内定を得る(企業で働く)ことや博士の学位を取ることって、
結局のところ、目的やゴールに向かうための手段でしかないので、
最終地点から考えれば、優先すべき点、妥協しても構わない点は自然と決まり、
今選ぶべき選択肢も必然的に決まってくると思います。


社会人になると、何かの決断を迫られる局面において
こっちが確実という選択肢はまず無いので、
6割ぐらいの確立でこっちが良いかな〜ぐらいの感覚で
決めていくしかないと思います。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:とおりすがり  投稿日:2010年07月05日 04:33:17  No.109009
I P:222.2.47.222
ものすごく遅いレスです。某大学院の教員です。院生に私の同級生を紹介し、今年、製薬会社を回らせたので書き込みます。

T社:研究所が移転するため来春の研究職の採用はナシ。基礎研究に近いセクションでは博士が8割だが、薬品の製品化の為の実験をするセクションでは修士も結構採用しているらしい。企業での教育ナシで済むような即戦力を求めている。

A社:研究所は、新規採用は殆ど博士ばかりらしい。但し、企業で教育しなくてもいい即戦力に限る。分野が違うと博士でも採用はない。

E社:修士卒が主流らしい。博士も居るが,少なめ。こちらも大学院での研究分野とのマッチングを重視だが、入社後に教育しているらしい。

DI社:よく知りません。

と言う具合で、博士での採用は、大学院の研究室の研究が、企業の研究と重なる分野を重視しています。もし、ペンさんは土壌や試薬の分析会社に内定とのことですが、もしかしたら、研究室の専門分野は、製薬会社の関心とは異なるのかもしれません。もしそうなら、博士に行っても、製薬会社への就職の可能性はさらに低くなるだけだと思います。研究分野を良く考えて、決めると良いと思います。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:W  投稿日:2010年07月08日 23:16:32  No.109010
I P:114.163.40.105
このご時勢に企業の研究職に内定できるくらいの’優秀な’学生さんのようなので、少しコメントさせて頂きます。

・私自身の研究はうまく進んでおり、素質があるらしいということ
(M1の時に論文アクセプトと学会の口頭発表を行いました)

これは学生を残らせる口実としては良くあります。
また、M1の時に論文アクセプトしている人の数はそこそこいるので、あまり指針にはなりません。

・M1でその業績があればそのまま進めばポスドクをほとんど経験せずに助教になれる可能性が他の学生と比べて高いこと

仮にアカデミックで生きていく場合、
1)ポスドクの経験がないことが必ずしも良いことではありません(長すぎるのも良くありませんが)し、
2)助教といってもパーマネントの助教なんてほとんどないのではありませんか?昨今、助教からその次に進める人間なんて一握りです。
3)他の学生というのは「あなたの研究室、もしくはあなたの大学の学生」という意味ではありませんか?競争相手はもっと他にいるのではないですか?

>製薬会社のバイオの研究職の新卒採用は博士卒が主流」
・これは“製薬会社は海外の会社と共同研究が多く、そのとき博士号がなければ対等にディスカッションをしてくれない。そのために製薬会社は博士を優先して採用するようになっている。またすでに就職している研究職の社員には博士を取得させるようにしている。”

これもずっと以前から使いまわされている’もっともらしい’お話の一つです。
まぁ仮に新卒博士が入社して、対等にディスカッションできるかと言えば怪しいところなのですが。
ご存知の通り、企業は採用を控える傾向にありますし、その時の会社の財務状況や研究傾向によって一概にどのような人間を採用するかはわかりません。しかしながら最近良くやっているのは、ベンチャーなど研究分野ごとを「セット」で買い取ってます。
新卒博士を採用することや、すでに就職している研究職の社員には博士を取得させるなんて悠長なことを、この先出来るか疑問ですね。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:W  投稿日:2010年07月08日 23:42:30  No.109011
I P:114.163.40.105
引き続き

一方、博士を中退して国家公務員になった先輩にこのことを言うと
「お前は利用されている」と言われました。
つまり、学生が1人いればそれだけで大学から助成金が入り、
研究においても教授の使い駒になってしまい、自分が論文や学会発表を行うだけで教授自身の名声も上がるからということです。
また本当に良い研究がこの先も行えるか分からず、最悪の場合この先輩のように中退せざるを得ない状況になるかもしれないと。
(この先輩は生涯一度も論文を書いたこともなければ口頭発表もしたことがない人ですが・・・。)

この先輩の言うことは真実です。
まぁ博士課程の学生が1人いると年間数十万円の助成金が入ります。
また研究室にとっても、お金を払わずに(むしろ自分から学費を払って)丁稚奉公してくれる’駒’が来てくれるわけですから、反対する理由がありません。
’卒業’という縛りがあるわけですから、指導しなくても結果を出してくれるし、かりに結果が出なければ自己責任で片付けることができます。
結果が出る出ないは、本人の能力や努力にもよりますが、運によるところも大きいです。学生時代結果が出た人が、その後も結果を出し続けれるかといえば案外そうでもありません。
私の周りでは、学生時代にちょっとした結果を出して、自分の能力を’勘違い’してしまい、博士・ポスドクと進学してどうにもならなくなった人が複数名おります。

個人的には博士を中退して国家公務員になれたその先輩、研究には恵まれませんでしたが、まっとうな道に戻ることができて良かったと思います(その意味で優秀です)

アカデミックに進むことは全くオススメしませんが、
仮に進むのであれば、年収0〜200万円クラスの生活でも
’ハッピー’だと思えるくらいの面白い研究をやって欲しいものです
(そのくらいの覚悟をもって進学してください)

最後に
「スーツを来て満員電車にぎゅうぎゅう詰めになって通勤し、自己実現ではなく家族の生活費を稼ぐために仕方なく働いている人」

これが「できる」ということは、このご時勢すばらしいことです。
ご自身が、まだ学生の段階なのでわからないと思いますが、
それはサラリーマンの一面でしかありません。
サラリーマンはとても奥深く、それは研究と比べても勝るとも劣らないものですよ。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:T  投稿日:2010年07月14日 20:24:23  No.109012
I P:157.82.240.29
 現在某国立大博士課程に在籍しており、就活を控えている者です。
 上の方がお書きになっているように、現在日本社会は博士は就職するのが難しい上にアカデミアのポストもありません。私もそうでしたが、夢を追いかけたい気持ちは誰しもあるのです。しかし生きていくにはお金が必要だという現実もあります。非常に重要な選択ですので、しっかり考えて決断してください。一番いけないのは「自分はこうだ」と決めつけて、他の可能性を排除してしまうことです。ただし、上の方は少々アカデミアを否定しすぎていると思いますが、100%ではないにしても書かれていることに事実があると思います。
 そして、研究というものはテーマ、ラボの環境により差がどうしても出てしまうものです。運もあります。決してあなたの才能を否定するわけではないですが、「自分には才能があるから進学する」というのはやめた方がいいです。「結果=才能」ではない、これは私自身博士における生活から身にしみて理解したことです。何か目的意識があり、「博士課程で○○を学び、人にはない能力を習得するため」なら決して進学は否定しません。
 どのような道を選んだとしても楽なんてことはありません(個人的には博士の生活は就職した方がまし、と思いますがサラリーマンにはサラリーマンのつらさがあるハズ)。それぞれつらい目にあうと思います。そして、上の方のおっしゃるようにサラリーマンで家族を支えるのだって自己実現ですよ。他人の生き方と比較するのではなくて、自分の道を見て決めてください。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年07月18日 20:54:02  No.109013
I P:123.225.40.25
しばらく研究室にカンヅメ状態だったので遅れてしまいすみません。
いろいろ貴重なご意見をいただき、驚くと同時にとてもうれしいです。

現在の研究がどうやら後数ヶ月でCNS(Cell,Nature,Science)に投稿できそうな内容になってきました。
(自分の研究分だけでなく、去年指導していた卒研生と今指導している卒研生の研究内容も合わせてですが。)
そのため、進路については結局は就職を辞退し、博士課程に進学することにしました。
先にも書いたように今の実績ならば博士の期間を1年短縮できる見込みが高いです。

+Mさん+
お返事が遅れてしまいすみません。
自分の目的はやはり基礎研究です。企業のように市場のニーズにあった研究をやることは好みませんね。6割くらいの確率ということですが、今は博士に進学する方がその6割に入るような気がしてきましたので進学します。

+とおりすがりさん+
貴重な情報ありがとうございます。
DI社がどちらかよく分かりませんが、T,A社については自分が会社訪問した時もそのような感じでした。E社については自分の感触とは違いましたね。分野によるのでしょうか。

+Wさん+
納得出来る部分もありますが、後にTさんが書かれているようにアカデミアについて否定的なご意見ですね。。。
助教とは当然パーマネントの職のことです。また他の学生とはもちろん自分の研究室のことですが、自分の分野は結構ニッチな分野なのでライバルが世界中にいるわけではありません。まあニッチ性が就職が希望通り進まなかったの理由の一つになりますが。
また、内定を貰っていた会社の職種は残念ながら研究職ではないです。そもそも研究部門がない会社で、事業内容は都道府県からの要望で土壌や水質を検査する業務です。。。
国家公務員になった先輩は幸せそうには見えないですね。キャリア官僚なので夜3時まで働き、タクシーで家に帰って2時間程寝てまた出勤するの繰り返しらしいです。体調を崩して入院してましたから。この先輩からの「お前は利用されている」という意見も入院先にお見舞いに行ったときに言われたものです。自分はこのとき内心「あなたも組織から利用されている」と思いました。

>これが「できる」ということは、このご時勢すばらしいことです。
申し訳ないですが、視点を変えればどんなものもすばらしくなるものと思います。たとえば派遣村を基準に考えれば会社勤めができるなんてすばらしいでしょうが、年収が数十億のイチローから見れば雑用にしか感じないでしょう。。。

+Tさん+
お金の件はそれほど切実ではないです。すみません。
自分の場合実家で農場をやっているので最悪の場合でも生きるのに困ることにはなりません。
博士課程の位置づけについては難しいものがありますが、さすがに博士になってさらに「学ぶ」というよりは、“したい研究があるがまだ半人前なので学生の身”と考えています。
家族を支えるのも自己実現ですよね、確かに。そういう考え方はしてみなかったので考えが甘かったです。。。
厳しい道ですがお互いがんばりましょう。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:とおりすがり  投稿日:2010年07月19日 14:46:00  No.109014
I P:220.217.105.128
まず訂正から、、DI社はDS社の間違いです。

博士課程に進学すると意志を固めたなら、最後までやり通すつもりで頑張ってください。修士で民間企業の研究職の内定が取れない研究室の場合、ペンさんの専門分野は民間企業のニーズとミスマッチがあるのかもしれません。もしそうなら、博士では民間の研究職は難しいと思います。アカポスで勝負するつもりで頑張ってください。

CNSが狙えるとのこと、幸運を祈ります。

以前、別の掲示板に書き込みましたが、、、

博士課程の卒業者100人に対し、アカポスは多めに見積もって30人分です。この状態が7年続くとどうなるか考えてみます。

1年目 アカポスの応募者(博士新卒100人)→アカポス30人分、ポスドク:70人 
2年目 アカポスの応募者(博士新卒100人+PD70人)→ アカポス30人、ポスドク:140人
(これを続けると、)

7年目 アカポスの応募者(博士新卒100人+PD420人)→ アカポス30人、ポスドク:490人

となります。今の状態は上記の7年目と同じです。どこの田舎の大学や短大でも良いからと公募に応募しても、毎年5.7%しか就職できない計算です。つまり、ポスドク+院生の94%はアカポスに就けないまま、研究を続けるか、別の道に進むかの選択を、毎年、迫られるのです。確率的には、弁理士試験や旧司法試験の合格率と同じです。この状態を7年続けると、博士取得者の3割強が、アカポスに就きます。但し、3-5年任期のテニュアトラック職で、成果が上がらなければ、任期の無い職に就けず、ポスドクに逆戻りです。

私自身はこの競争を勝ち抜き、アカポスに就きましたが、相当消耗しました。実力のある人が、精神的に不安定になり、潰れていくのも見ました。また職が定まるまで、結婚し、家庭を築き、家を建て、、、という、世間では当たり前の生活もできません。非常に厳しい競争を勝ち抜き「研究業界の勝ち組」になっても、生涯賃金は高卒の公務員以下です。Natureに「日本の研究環境は最悪」という記事がでたそうです。私は、もう一度、生まれ変わったら、絶対にアカポスは目指しません。

私はラボのテーマは、院生に民間就職が保証できる応用系のテーマを設定し、最初は院生に民間就職を勧めることにしています。もちろんアカポスに就いて良かった点もたくさんありますし、ぺんさんの教授は、学生を使うつもりで、進学を勧めている訳では無いと思いますが、博士進学は覚悟が必要です。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:とおりすがり  投稿日:2010年07月19日 14:17:26  No.109015
I P:220.217.105.128
(続き)
大学院の重点化で博士課程の人数が増え、10年近く時間が過ぎました。アカポスとは別の世界で働く博士も目にするようになり始めました。

今は過渡期かも知れません。「研究職を目指すなら博士に進学するように。」とうちの修士の学生は製薬メーカーのOB(複数)からアドバイスを受けました。一方で、食品メーカーや化粧品メーカーでは博士を取らない会社が主流です。製薬の研究員は狭き門なので、これを狙って博士進学するのは、お勧めできません。

研究職以外で働く博士も増えています。大手メーカーのマーケッティング職に、今春、博士院生が就職しました。先日取材にきた科学番組のスタッフには博士がいました。この掲示板の管理人の方も含め、博士卒の民間就職は、徐々に増えています。但し、修士の方が就職は良く博士だと就職口も減るので、よく考えて博士進学すべきです。

ペンさんにとっては、先のことになりますが、ポスドクからの民間就職はハードルが高いです。日本の民間企業は、ポスドクの年齢(30代半ば)は中堅で、人によっては転職を考え始める時期だからです。

新卒の博士とポスドクで、民間就職には差があります。アカポスを目指すにしても、博士取得時に、もう一度、職について考えてみることをお勧めします。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:トリム  投稿日:2010年07月19日 16:30:46  No.109016
I P:110.233.153.132
とおりすがりさんのように、学生の人生の節目節目でこれからのことを考えるように諭してくれる先生が多ければ状況も今ほどにはひどくならなかったかもと思ってしまいます。

人生は、何がよい方向に作用するのかはわからないので、熟慮の末、今うまくいっているから、それを継続してやっていくというのは、ひとつの手だろうとは思います。研究で食べていけるように、ぜひご自身を磨いていってほしいと思います。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:ペン  投稿日:2010年07月19日 20:45:57  No.109017
I P:123.225.40.25
+とおりすがりさん+
>毎年5.7%しか就職できない
自分の予想よりも高い数値ですね。自分が高3の夏に「東大を目指す」と担任の教師に宣言した時を思い出します。その時は全然成績が足りてなくて「何年も浪人しても受からない人もいるのに頑張っても無理。」と言われましたが、結局現役で受かりましたし。
そもそもサラリーマンとは違う職種というものはなるのも難しいし、なってからの競争も激しい。常識です。スポーツ選手・歌手・芸能人・小説家・漫画家・映画監督などと同じですよ。でも必ず成功している人はいるわけで、目指さない方がいい生活ができるというのは確率的には正しくてもそんな人生でいいのかということです。自分はそんな人生は嫌なので自分の決めた道を目指します。

ポスドクからの民間就職について情報ありがとうございます。でも、自分は実家が農園を経営しているので35歳になっても研究が無理だったらこちらを継ぐつもりです。

+トリムさん+
学生といっても修士・博士は20代半ば以降なんですから先生に諭されるかどうかなんてあまりに虫がよすぎると思いますよ。普通なら働いている歳なんですから、判断ミスは自己責任でしょう。考えが甘いと思います。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:とおりすがり  投稿日:2010年07月23日 04:49:17  No.109018
I P:222.5.85.94
ペンさんへ
掲示板への書き込みをみて、気持ちが揺らいでいるのかな?と思ったので上記のように書きました。アカポスを目指すと定まったなら、己の道を頑張ってください。

まず、最初の目標ですが、30歳の半ばまでに、ペンさんはXXができるという看板を、学会で作ることですね。35歳までにそれができれば、残れます。CNSやインパクトファクターも大切ですが、オリジナリティを評価される仕事を目指してください。

博士を取得したら、さきがけへの採択を目指すこと。「さきがけ研究」に採択されて、ようやく、世間から認められ独立を許される気がします。

海外ポスドクには積極的に出かけること。そして、できれば、海外でPIとなるように努力すること。

博士号の指導を受けたボスと、互角に戦うつもりで、仕事をし、論文を出すこと。(研究全般では経験値の差があり、ボスを超えるのは大学院では難しいですが、自分の専門の実験と自分の論文に限れば、ボスを超えることはできるはずです。)

これらは、私自身が、目標にしたものです。



Re:博士に進学するべきか  投稿者:  投稿日:2010年07月22日 06:19:30  No.109019
I P:62.252.24.130
よこやりを入れさせて頂きます。幸運なことにパーマネント職を
得ている大学教員です(理論物理)。

ペンさん、とおりすがり先生のアドバイス、非常に大切です。
すべて実行できたら、あなたはアカポスへ就職できると思います。
そして、ぜひ高い見識で研究そして将来的には教育にあたって
もらいたいと思います。何より、研究を楽しんでいる姿勢を学生
(あなたがアカポスにつくまでの間であれば後輩)に見せてあげて
ください。研究は、確かに業績競争の一面があり、結果として
現在の日本のような状況にあるわけですが、本来、楽しいもの
です。私がアカポスにつきたいと志願した理由は、当時の先生方が
とにかく楽しそうに研究をされていて(かつ世界的な業績を挙げて
いる)、自分もそれに加わりたいと思ったからです。私は、生まれ
変わってもアカポスを目指します。もしあなたが本当に研究を楽し
んで、かつ成果を挙げていれば、後輩あるいは将来的にはあなたの
ラボの学生は、それに続きたいと願うはずです。教員が業績争いに
奔走・疲弊して、ラボの学生がソルジャー化してしまっていては、
研究者は、学生が志望する職業になり得ません。そして最後に、
後輩・学生に自己責任論を押し付けるのではなく、色々と楽しく
語り合ってください。

説教臭くなってしまい申し訳ありません。大学は、やはり知的聖域
であるべきと願う一教員の戯言でした。



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