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今まで、処女膜、卵子膜、の話をしたが、本来性の獲得は、生殖 行為だけのものではない。母子の体から胎児が第三の膜である羊 膜を破り出生することで、男は父性、女は母性を獲得する。つま り、性は一人の膜割礼主義者と(双子の場合どちらかになるが) 二人の親性により完結される。つまり、ほとんどの人たちは自分 自身が母体膜の割礼によりこの世界に出現していることを、忘れ ている。私は仏教徒であるが、聖母マリアが処女と言ったのは、 恐らく、この第三の膜に対して処女であることを語っているのだ と思われる。この第三の膜は遺伝子的共通性をも超えて、世界 社会適合性を問われる最初の生命の登龍門となる。つまり、生き ている事が性の獲得の第一歩となるのである。私は膜割礼主義者 の摩尼であることを証し心の膜を1枚自ら破す。
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