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風池の刺鍼
投稿者:離島の鍼灸師
投稿日:2011年12月14日 17:31:38 No.355001
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いつもこの掲示板を拝見させていただいてます。 小生、離島で針灸院を開業して15年になります。 本島での勉強会はなかなか参加できず情報は医道の日本などの雑誌、そして、書物によるものがほとんどで、毎日の自分の臨床がすべての勉強。 という状態です。 最近、医歯薬出版から「危険経穴の断面解剖アトラス」という書籍が発売されたので購入し、読みました。当たり前の内容で新しい発見はあまりありませんでしたが、 風池の刺鍼に対しては多少疑問があります。5センチの刺入で、延髄に達するような記載があります。 経験上、2寸の針でも逆の目の方向に向けて打ったところで必ず頸椎にあたり、止まるわけで・・・延髄までの危険があるとは、思えません。 風府ならば危険ということはわかるのですが、風池で延髄にとどくという可能性はあるのでしょうか? 解剖学的な見解と、経験的な面ではいかがお考えでしょうか? 先生方、答えられる範囲でよろしくお願いいたします。
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Re:風池の刺鍼
投稿者:当センター顧問 高橋秀則
投稿日:2011年12月16日 22:00:28 No.355002 |
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離党の鍼灸師さん ご投稿有難うございます。風池から針を刺入して延髄に達するかというご質問ですが、私にも確信はありません。理論的にはあり得るが実際に起こる確率は限りなくゼロに近いというところが現実的な答えではないかと個人的には思います。私は医師ですが、はりも少々やりますし風池を日常茶飯事のように使用します。また以前は整形外科もやっておりまして脊髄造影と言って針を脊髄に刺入して造影剤を注入する検査を頸椎のレベルから行ったこともあります(針を刺入する部位は風池ではありませんが、その近辺です)。また現在の専門であるペインクリニックの手技によって頸椎の周辺に注射をすることもあります。その立場から言わせてもらうと、患者さんによっては5センチという長さは痩せた方ならば風池あたりから頸髄の上部あるいは延髄に達する可能性はあります。「逆の目の方向」に打てば大丈夫、という保証は全くありません。なぜならばX線透視などを行って針を刺入する検査をするとわかりますが、自分の思っている針の刺入部位や刺入方向と実際の向きとがかなり離れていることなどしょっちゅう起こるからです。私自身のことなのかもしれませんが、盲目的に刺す針(注射針でも鍼灸の針でも)がどこに向かうかはかなり不確定だと思っております。 そんなわけで私は風池に取穴する場合はせいぜい1寸の深さまでと決めております。したがって2寸で刺入したらどうかというご質問に確信的なお答えはできませんが、経験的には「延髄まで達することはなきにしもあらず」という印象です。 取りとめのないお答えで失礼致します。
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Re:風池の刺鍼
投稿者:離島の鍼灸師
投稿日:2011年12月18日 15:50:34 No.355003 |
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大変よくわかりました。高橋先生ありがとうございました。
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